舞台『MOJO』を観た話。
昨日やっと『MOJO』を観ました!
こ、これはとても一回では飲み込みきれない…!
とりあえず夜公演だったので観た後、夕食にワインを飲みました(ひとりで)。
普段ひとりでお酒飲まないんですけど飲まざるを得なかった…
とでも面白い舞台です。ちゃんとした感想は今日あと2回観てから書こうと思いますが、とりあえず一夜明けた今の感想だけメモ的に残しておきたいと思います。
※いつもながら、推しについて書くブログなのでほとんど推しの役の話しかしません。
ここから完全にネタバレになるので注意
推しが演じるスキニーという役、大変おバカさんで可愛いです。
喋りは常に訛っていて(ラ行がダ行になる)、声もいつものような高く澄んだ声ではなく少しだけ濁りを出しています。
顔も、推しは普段から顔芸の多いタイプではありますが、もう常に表情をアホっぽくカッコ悪く作っています。
スッとした綺麗な顔はラストのカーテンコールでしか見れません。
(しかもカーテンコールは血まみれです。)
スキニーは確かにバカで純粋な子ですが、権力者に取り入る強かさも感じます。
ミッキーという、次期オーナーの座を狙う男に気に入られている…というか、かなり特別な関係にあります。
ミッキーの側はスキニーに対して、親のような気持ちもありながら、おそらく恋愛的な感情を持っている。
スキニーの方は多分、そこまで入れ込んではいないし、いつかは離れたいと思っています。
(何度も「いつか子供が欲しいんだ」と宣言するのは、ベイビーのイタズラに対して
と共にミッキーへの宣言でもあるのではないかと)
私が「特別な関係」の象徴だと思ったシーンとして、夜に寝る場所についての会話があります。
ミッキーはスキニーに、ベッドマットを下に持っていって、スキニーや他のクラブ従業員たちはそこで寝たらいい、と言います。
おそらくミッキーは上にベッドがあり、そこで眠るつもりでしょう。
しかしスキニーは「ベッドマットを上に持って行って、”みんなで”寝たらいいと思って」と言います。
おそらくこれは…ミッキーだけ別の部屋で寝るとなれば、夜中にその部屋へ自分が呼び出される可能性があると考えたのではないか、と私は思いました。
スキニーはラストシーンで、唐突にベイビーから撃たれて死んでしまいます。
絵に描いたような突然死です。
「何してんだ」「頭を撃たれた」「血が出てる」「どれくらい血が出たら死ぬんだ」
混乱した言葉の数々は、全くカッコよくなくて、ドラマティックではありません。
それが私には、事故や突然死の現場としてあまりにもリアルに見えて本当にゾッとしました。
ああこれこそ、人間の死にゆく様だなぁ、と。
はたから見たらとても無様かもしれないけれど、こういう美化されないどうしようもない死が、私はとても好きです。
ミッキーのスキニーへの愛が直接的に表現されるのは、スキニーが死んだ後です。
ミッキーは死んだスキニーへ謝りながら縋り付き、そのまま終演します。
きっとミッキーは不器用な人だったのだろうと思います。
スキニーはバカで、垢抜けなくて、少しばかり小賢しく、うまく愛される術を知っている人なのではないかと思います。
それがきっと、ある人にはどうしようもなく憎たらしくて、ある人からすればどうしようもなく可愛いのです。
色々書きましたが、まだあと2回観るので感想も変化するかもしれません。
じっくり観てゆっくり考えたいと思います。MOJO楽しい!