推しとTake me outの話。
私が「貴方にとってこの話は喜劇でしたか?悲劇でしたか?」と訊ねられたら、こう答えるだろう。
「やべえホラーだったわ」
というわけでやっと観ましたTake me out!
まさに「言葉にするのが難しい」作品なのですが、今感じていることを書き留めておこうと思います。
とりあえず、まず配役が…キャスティングがヤベェしパネェよ…
キャスティング担当者様はよくキッピーに味方良介を配役したと思います。すごい。
本当にあの”味方良介”という呪いのように美しい名前を持った者にこの役を与えた功績、素晴らしいです。
基本的に推しを中心に話を読む主義な私としては
「一見まともそうなキッピーことクリストファーという良心の怪物を中心としたホラー」
として観てしまいました。
いや本当…なんだかんだで頭が良くてまともな常識人っぽく見えて、実は肝心なネジが完全にバカになって効いてないという…
わ、わかる…!この配役、わかりみがすごい…!!
キッピーは傲慢だと思われる方が多いと思うし実際傲慢と言ってもいいのだろうけど…
傲慢というより私は「ネジが効いてない」と感じました。
「モラル」「良心」を大事にしているのに、何か肝心なネジが効いてなくて、センサーが壊れている。
そもそも、そのセンサーを付け忘れられてしまったのかも。
それこそシェーンはかなり大きく「コミュニケーションに関するセンサー」が欠落しているけれど、
キッピーは「ほぼ完全に見えて肝心な箇所が欠落している」のかな、と。
「クリストファー」とは「聖クリストフォロス」という伝説上の聖人が由来の名前で
その聖人は「誰より強い者に仕えたいと願い、悪魔が恐れるキリストに会うために、河を渡る人を運んで助ける仕事をして、少年の姿をしたキリストを運んだ」聖人だそうで。
「とにかく強い者に仕えたい」という価値観と「誰でも困っている人を助ける」という行為のアンバランスさが、なるほど…と思ったりしました。
ちなみにその絵や像を見た人は「その日のうちに悪しき死に遭わない」と言われているのだそうです…めちゃくちゃ皮肉ですね…
それから、観ながら思い出したのは「悪魔が来て船を沈めたらどうするんだ」というフレーズで…
これはこないだの恋ブロで内藤大希先輩が歌ってた『Sit down you’re rocking the boat』の歌詞なんですけど、この曲もTMOもキリスト教的な話だな〜ということで思い出しました。
デイビーはダレンに「悪魔がお前を船から落とすぞ!」と言い
キッピーはダレンに「君が船から落ちたら助けてあげる」と言い
ダレンは「俺は船から落ちない!」と言う…
そんな感じの関係だと。
2人ともダレンが船から落ちることが前提のようで、だからダレンは「俺に友達は居なかった」と思うんでしょうね。
メイソンだけが一緒に船に乗って何処かへ連れて行ってくれそうだ、という…
それもこの先どうだか全然わかりませんけれど。
この作品は「言葉を持たない人」の不幸を描いているようで、実のところ「言葉を持ちすぎている人」の危うさをより描いているようにも思いました。
キッピーにしろメイソンにしろ、頭が良くて喋りすぎる人の方が本音が見えないようになっているというか…
キッピーは手紙のことがバレた後のモノローグさえ、結論が「何も得られなかった」なのが本当にヤバい。
あそこで少しでも反省や後悔のような感情が見られれば人間みがあったのですが、あれで一気に「まともじゃない」「化け物」感が出てホラーになります。
色々と感じたことを書きましたが、こんな風に感じるのは単に私がキッピーに感情移入というか、自分を重ねてしまっているだけなのかもしれません。
一歩間違えば気付かないうちに自分もキッピーのようなことをやりかねないと思うし、やってしまった結果きちんと反省や後悔をできるかというと、正直わかりません。
きっと「自分もあんな良心の怪物になりかねない」と思うから、私にとってはホラーなんです。
まだまだこねくり回せる本当に面白い作品で、推しが出てくれたことに感謝しかないです。
共演者の方もみなさんとても素敵でした!
特にカワバタさん役の竪山隼太さんが好きだなー、自然な良い関西弁だった。
噂のSpiさんも素敵でした!ボールありがとうごさいました…動揺した…
今後の推しの出演予定作品も楽しみです!
まずは27日のきどみかなんですけど…結局、昼はゲスト来るんでしょうか…!?
いや、いてもいなくても私は楽しみに変わりないんですが…!
物販情報とかも…もうそろそろ出るといいな…!!(当日解禁も覚悟はしている)