『幽劇』でも推しの声が良かった話。
『幽劇』観てきました〜!以下ネタバレオンリー!
言われていたようにストーリーは…設定が多い割にふわふわしてるというか、諸々突っ込みどころ満載というか…と思いましたが、これはもうお話を楽しむタイプの舞台じゃないんだろうな〜と。
科学者の描写とかも「化学に対するリスペクトがねえな〜!」と思ったりしましたが!まず物理と化学をごっちゃにすると関係者結構怒るぞ!多分!理系はジャンル違いで結構仲悪かったりとかするんだゾ!
まあリアリティがあると言われたシンゴジラでも各分野関係者的には結構突っ込みどころあるみたいなので、全く突っ込めないように作るのも難しいとは思うんですけど…にしてもね〜
「何かよくわかんないけどすごい賢そうな天才」に見せたいのはわかりますけど…中途半端な解説するならいっそザックリ詳細省くか、ギャグにするならもっと振り切ったほうが…
まあ物語の登場人物は書いた本人以上に頭良くはできないって言いますからね…仕方ないネ…
ま、文句ばっか言ってても仕方ないしつまんないので、楽しい推しの話をしたいですね!推しは今回もできる子だし可愛かったです!
キャスト紹介の口上
まずオープニング&エンディング(カーテンコール)にキャスト紹介的な口上が入ります。
同じ制作(RUP)の『新・幕末純情伝』や『熱海殺人事件』で久保田創さんがやってるような影ナレーションです。
あの高めのよく通る声でキャストを紹介してくれます。いやー声が良い。
しかも最後に推し本人が出てきて
「そして私、あなたの、あなたの、あなたの、味方良介です!」
自身の名前を活かしたシンプルかつインパクト大な完璧すぎる自己紹介!
映像ではぜひ「あなたの」ごとにカットを変えてほしい。
円若は神主?
推しの役は「円若(えんじゃく)」という名の、生前は神主だったという男。
小さな神社を代々守っていたが、地上げ屋がやってきて「鳥居に磔にされ、槍で刺されて死んだ」と言います。(周囲から嘘だと言われていますし、演出上も「嘘なんだろうな」という感じ)
放置された神社の鳥居がボロボロなので、それを綺麗に直したいというのが未練…らしい。
祈るような仕草をしますが、手を合わせたり胸の前で十字を切ったり手を組んで拝んたりと全く節操がなく、とても神主には見えません。
円若という名前について
そもそも名前が「円若」って、全く神主らしくありません。劇中でも何度か「坊主」と言われていますが、まるで僧侶のような名前です。
元ネタがあるかと思いましたが、検索しても「円若」なる言葉も人名も出てこず…
「えんじゃく」という読みの言葉だと
燕雀
1 ツバメとスズメ。また、そのような小鳥。
2 度量の小さい人物。小人物。
円寂
1 悟りの境地。涅槃 (ねはん) 。
2 僧が死ぬこと。入寂。
あとは「若」という字には「〜のようだ」という意味もあるようなので「円のような」?
名前で解釈できそうなのはこのくらいかな〜
ペアがいない
この作品、キャラクター同士の「ペア」があらかじめ設定されているような感じになってる訳です。ライバルとか、先輩後輩とか、まあありがちなんですが。
でも円若にはペアがいません。
強いて言えば多和田くん演じる「イクオ」からツッコまれることが多く、衣装も対のように2人だけ裾切りっぱなしのボロボロではあるんですが、イクオは三浦くん演じる「セイジ」と先輩後輩ペアなので…
幽霊組の全員と仲良くしつつ、誰とも深い仲にならないし生前の知り合いも出てこない、一番謎の役です。ストーリーテラーが一番謎ってありがちですけどね!
裏切り方が不二子ちゃん
途中、決戦の少し前に円若は主人公・ダイを裏切り、悪役・桃仙の側につきます。
このシーンがとても可愛いんです。みんなが集めた大切な札を奪って、「すみませーん!」「ごめんなさーい!」って軽く裏切る。不二子ちゃんか!
(1回目の観劇後は口上と「推しが不二子ちゃんだった」ことしか頭に残らなかった)
軽薄な嘘つき男?
「嘘ばかりついてきた」という円若は、悔い改めたようなことを言い残して死ぬ(幽霊が死ぬというのもおかしな話ですが)のですが、その後エンディング(カーテンコール)では復活してしれっと戻ってきます。
「お前はどうしたんだよ、人魂になって霊界を彷徨うとか言ってたじゃねえか」と問われると、しれっと「嘘ついちゃいました」という…
願いは「私に」届いた
そしてその後、劇中で使われる「捨て紙」と呼ばれる紙をキャストが客席に撒いて、その紙を掲げてみんなでお願い事をしましょう!という流れになるのですが…(お願い事の内容は毎回桃仙役の荒木さんが決める)
お願いが終わった後に、推しが言うんですね…
「はい!みなさんの願い、”私に”届きました!」
いやお前に届くんかーい!って心で突っ込ませたいだろう流れなんですけどね。
結論
…ここまで延々書いてきた流れで、このブログを長く読まれている勘の良い方はお気づきかもしれません。
私は以前に「熱海殺人事件」についてこんなブログを書いている訳ですが
まあね、私だって毎回そんな同じような結論言いたい訳じゃないんですよ。
でも「軽薄な嘘つきで、どこまで本当のことを言ってるかわからなくて、誰とも深い関わりを持たないストーリーテラーで、神社と鳥居に執着していて、でも全く神主らしくはなく、 小人物のように見せながら、しれっと生き返ったり、人の願いを聞いたりする」…
なんだ、ただの神か〜
まーなんだ、いろんな出自の神様すぐごっちゃにしちゃう日本らしい感じの俗っぽい神様なんでしょうね〜よくあるよくある。
とにかく推しが楽しそうに飄々と軽薄で孤独な人外っぽかったのが良かったです。
も〜ちょっと脚本がちゃんとしてればね〜!回想シーンも多すぎるけど説明セリフも多すぎるよ!設定が変にゴチャゴチャしてて登場人物も多すぎるせいだけど!
あとこれは贔屓目ですけど、微妙なギャグも推しが絡むとなんとなく形になっちゃう感が罪だな〜と思いました。ノリと言い方でそこそこ綺麗に成立させちゃうもんな…
愚痴っぽいのは嫌いなので最後に
推しのセリフでここが好きポイント
「どうして!」
主人公・ダイの過去を問うセリフ。
表面上は問いかけの形式だけど、意味は「どうして?なぜ?」ではなく「私がお前の語りたいことについて訊ねてやるのでお前の好きなように話しなさい」になる。
推しはこういったタイプの問いかけがすごく上手いと思います。
強いんだけど威圧しすぎない…上からなんだけど抗えない…力のある声。
「(ん)ぃやぁ〜!」
初っ端から熱海の伝兵衛ちゃんと全く同じ調子で「いや〜!」と言う。
「い」の前に「ん」が入る、「んにゃ〜」にも近い、なんとも表現しにくい拳の回った「いや〜!」なんですよね!
無理やり文字で表現するなら「(ん)ぃやぁ〜!」になる…癖になる言い方です。好き。
超ピンポイントな好きセリフ2つでした!推しの声が好き!!
(この記事書いたの、日曜ソワレ観劇後にお友達と晩御飯食べて夜行バス乗って帰って風呂入ってすぐ仕事行って帰ってきてそのまま書いててだいぶ眠い状態なので後で全然違うこと言ってたらすみませーん!)